■
とてもとても大切な友達がいた。18歳から26歳頃までを思い出すときに、絶対に出てくる友達。何度かはてなダイアリーには書いていたように思うけど、どうだったっけ。
わたしの中の灰色の気持ちがむくりと起き上がる度に、彼のことを思い出す。もう連絡は取っていない。たぶん、一年ぐらいかな、何をやっているのかも知らない。確かなのは、父親をやっていること。
夜中に何度も電話をかけてきたのが、彼女ができてそれが減って、子供ができてそれが全くなくなってしまった。別にどうってわけではないけれど、わたしに彼氏がいて、あちらに家族があって、そしたらやっぱり成立しないのかな。関係とか。悲しいし、寂しいね。贅沢かな、周りにいてくれる異性は、一人だけにしないと怒られるのかな、誰に怒られるんだってね。
■
母はわたしにスカートを作ってくれた。
母と言い争いをする度に、母は「もうスカート作らないよ」
でも今、
あと、いつまでも母がスカートを作ってくれるから、
■
人の顔色ばかりをうかがってきたように思う。
13歳ぐらいのときに、家族から父親が消えた。それからわたしには母と弟がかけがえのない家族になり、何を置いても守るべくは2人になった。何かをするにしてもやめるにしても、2人の、特に母の言うことを聞いていた。いいんじゃないと言われれば、いいんだろうなと思い、それはないと言われれば、それはないなと思った。行動基準が母であった。あの頃のわたしは、確実に、絶対に。
母に頼られることが好きだった。周りから「いい子だね」「よくできた子だね」「えらいね」とかそんなことを言われることも、同じぐらい好きだった。母に頼られて、周りの人に褒められるのが、本当に好きだった。今でも引きずっている。来年30になるのに。
わたしのことを頼る人が好きだった。頼られることが好きだった。それを共依存と言うのを知ったのは、割とつい最近のことだった。
頼ってくる人にはできるだけ応えようと思っていたし、今でも思っているし、だから夜中の電話も呼び出しも、授業中の電話もメールも、なるべく早いレスポンスを心掛けた。これは高校を卒業した頃から、だから、18から今までずっと。わたしはずっとずっと、他人からわたしへ向けられる依存心に縋りながら生きている。
でも、長年そんなことをやっていて、最近気付いた。
悩みが解決した人はわたしから去っていくし、連絡も寄越さなくなる。わたしのことを大好きだと泣きながら言っていた子は、今もう何をしているのかも知らないし、わたしが話を聞いてくれたから少しずつ立ち直れたと言ってきた子は、男ができてどこかに行った。深夜の電話を続けてきたあの人も、結婚して子供が産まれたら全く連絡を寄越さなくなった。母はわたしに対して、「あなたの予定なんて、わたしからお願いしていることに比べたらどうでもいい」と言った。一人の人間として扱われていないと思った。
だから、そんなもんなんだ、と最近知った。本当に最近知った。みんな本当にわたしのことを好きだと、ありがとうと、思っていてくれてるんだと思っていた。でもそれはごく一時的な、限定的なものだったらしい。継続しないものらしい。
恋人だけが、わたしをずっと頼って、ずっと甘えさせて、優しくしてくれる。怒らないで一緒にいてくれる。毎日何があっても連絡をくれる。付き合いたての頃に悩みの種だったことが解決しても、そばにいてくれる。恋人だけが、そうしてくれる。
つかれた。
■
ダイアリーばかりをずうっと使い続けてきたが、インターネット歴15年強、一度ぐらいブログを使ってみてもいいのではないか、とこの年で初めてまともにブログを開設した。いくつかアメブロのアカウントは持っていたけど、一週間と続かなかった。これはどうなるんだろう。
久々に朝焼けを見た。まだ日が昇りきる前の、ピンクと水色のマーブルが大好きだった。20代前半頃まで、この色を見てから寝るのが毎日で、生活リズムがなかなか崩壊していたっけ。懐かしい。
当時は朝まで一緒に起きてくれる人、寝かせてくれない人が周りにたくさんいた。今は、全然いない。みんなしっかりとした基盤を持ったんだろう、よかったね、少しさびしい。
隣では恋人が寝息を立てている。彼は絶対に朝まで起きない。仕事があってもなくても、朝まで起きない。たぶんこういうセンチメンタルな気持ちは、一生共有できないんだろう。でも、だから、一緒にいるのかな。