いつの間にかここを開設してから二年が経っていた。


大好きで大好きで仕方のなかった人が、いまどうしているかを人伝に聞いた。毎日のように電話で話していたのに、一方的に連絡を断たれて終わっていたその人の「いま」は、予想していた通りあまり良いものではなかった。なんとなく、理解していた。彼は手に入れた幸せをそのままどうにか保持しようと努力する人ではない。どうせきっと、面倒になって逃げたのだ。若しくは、形式的な幸せを享受することを拒否し、恐怖し、一人になることを選んだのだ、と書くとなんとなく体裁が保てるけれど、やはり結局逃げただけなのだろう。
わたしは彼の穴を埋めることはできなかった。彼もまた、わたしの穴を埋めることはできなかった。だからわたしたちはお互いの傷を舐め合うだけで、決して一緒になることはなかったのだけど。今もしまたふらっとお酒でも飲みに行けるような関係になれるなら、いつだって話でもなんでも聞いてやるのにな。馬鹿だな本当、大馬鹿者だ。家族を持ちたいって言ってたのに、幸せから手を放すなんて、本当に大馬鹿者だ。聞いてほしいことがあったらいつだって聞いてやったのにな。ばーかばーか。