先日読んだコラムに、「自分が落ち込んでいるときにはネガティブな人と話した方がいい」みたいなことが書いてあった。同じ空気をまとっている人にとりあえず否定せずに聞いてもらったほうがいい、という意図が込められているのだろうが、大体ネガティブな人間は自分の話をしたがる傾向にあるので、どうなんだろうな、かと思う。

極端にポジティブな人間というか、いわゆる「死にたい」と思ったことがないタイプ、精神的に落ち込むことがほとんどないタイプと話すと、恐らく疲れるのだろう。最近はそういう人と話す機会が多くて、詰められることが多い。「そんなこと考えて何になるの?」「死にたいなんて思うこと自体が無駄」「なんでそんなことを考えるのか、まったく理解できない」「落ち込むのは構わないけど、その空気を自分の前で出すのはやめてほしい」とか。割と言われてピンポイントで傷つくような発言ばかりだな、本当に彼はわたしの友人なんだろうか。友人ではないな、知り合い、か。

 

 

何も好きでこんな憂鬱な気持ちを抱えて生きているわけではない。中学生になったあたりから、なぜだかぼんやりと「消えたい」だとか「死にたい」だとかそういった欲求が常に心に居座るようになり、なんでかよくわからないけれどそのまま年齢を重ねてしまっただけだ。正直自分でもこんなに長く「死にたい」と思いながら生きることになるとは思わなかったし、30歳を迎える頃にはそんな気持ちなんてどこか遠くに消えてしまうだろうと思っていた。思っていた、のだけど。

 

 

 

何も毎日死にたいわけではない。

相変わらず自殺の方法を検索したり、仕事中に腕を切りたくて切りたくて仕方なくなったり、過呼吸になって電車からとりあえず降りたり、そういう毎日が続くけれど、楽しいことがないわけでもない。友達と会うのは楽しいし、ライブに行くのも楽しいし、おいしいご飯を食べるのだって幸せだ。ただその幸せは長く続かないし、気付いたらいつもどおり、恐らくゼロよりマイナスの状態で日常を過ごすことになるのだ。

 

ぼんやりとした不安から逃れられる方法があるなら教えてほしい。死にたいと思わないで済む生き方があるなら、教えてほしい。否定するなら、やり方を教えてほしい。教えてくれないなら、せめて否定しないでほしい。